痛みの話Q&Awhat symptom
肩関節周囲炎
肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)って何? (かたかんせつしゅういえん)
50才代を中心にした中高年者で、特に原因と思われる事なく、あるいは、ころんで肩を打撲した後、徐々に肩関節の動きが悪くなり、肩の痛みが出る病気です。
どうして起るの?
原因は不明ですが、使いすぎや老化によって肩関節周辺にある肩峰下滑液包(けんぽうかかつえきほう)、腱板(けんばん)、関節包(かんせつほう)、上腕二頭筋長頭(じょうわんにとうきんちょうとう)、肩の結合織(けつごうしき)などに炎症を起こし、関節包が縮こまって肩関節の動きが悪くなり、運動痛をおこすと考えられています。数ヶ月で自然に治ることが多いのですが、その理由も判っていません。
症状と治療法は?
肩関節周囲炎には次の3つの病期があり、それぞれ治療も異なります。
1.急性期・・・肩関節周囲炎の初期です。肩関節の炎症によって、物を取ろうとした時やズボンをはこうとする時に肩に強い痛みがでます。この痛みは約2週間続きます。痛みに対して消炎鎮痛剤を服用し、肩を冷やさない様にして、安静を保ちます。副腎皮質ステロイドの肩関節への注射も効果的です。腕の重さだけでも肩には負担になっています。痛む肩の方では物を持たない様にしましょう。
服を着るときは痛い方から、服を脱ぐときは、痛みのない方からにして下さい。
急性期の痛みが少し治まってきたら拘縮を予防するための理学療法、運動療法をします。
2.慢性期・・・肩関節周囲炎の初期に適切な治療を受けられなかった場合、しばしば慢性期に移行します。肩関節が硬くなり、動きが極端に悪くなります。エプロンの紐が結べない、ズボンを上げられない。上の物が取れないなど日常生活に不自由が生じます。この症状は2~4週間ほど続きます。
この時期では、定期的に「ヒアルロン酸」を肩に注射します。ヒアルロン酸はもともと関節液内にある成分です。非常に滑らかで、粘りがあり、関節内での骨や腱の動きを滑らかにし、炎症を和らげ、痛みを軽くする働きがあります。ヒアルロン酸の注射と併行して、理学療法で肩を温め、すこしずつ肩を動かします。
3.回復期・・・肩の痛みは軽くなりますが、肩が硬くなり、動かしにくくなる時期です。数ヶ月から6ヶ月ほど続きます。この時期では、理学療法と肩の体操療法が主です。
肩関節の運動療法
それぞれの運動を1日5回行いましょう。
特に入浴後が効果的です。