痛みの話Q&Awhat symptom
パンコースト腫瘍
パンコースト腫瘍って何? (ぱんこーすとしゅよう)
肺の上部(肺尖部)にできる肺がんです。
肩から腕にかけて強い痛みがでるため、整形外科の病気と思い、最初に整形外科を受診する患者さんが少なくありません。
約90%は男性で、50~60歳代に多く発症します。
症状は?
パンコースト腫瘍は、他の腫瘍にくらべて症状が出にくいのですが、進行すると、夜間、上を向いて寝ると、上腕の内側に痛みが出たり、声がかすれる(嗄声(させい))といった色々な症状を起します。がんが首の方へ進むと、首から出る神経が刺激されて、肩から腕に痛みやしびれが出ます。首の交感神経が刺激されると瞳孔が小さくなる、上まぶたが下がる、汗が出なくなるなどの症状(ホルネル症候群)が出ます。
肺の上部(肺尖部)のがんは、病巣が鎖骨や肋骨の一部と重なるため胸部のレントゲン検査で発見しにくいことがあります。肩や頚部の痛みで整形外科を受診した患者さんのレントゲン写真で、稀ですがパンコースト腫瘍が見つかることがあります。
診断には、胸部レントゲン写真、 MRIやCT検査が有用です。
治療法は?
パンコースト腫瘍は進行してからの治療は困難です。
早期発見と早期の治療(手術、放射線、抗がん剤など)開始が大切です。咳や胸の痛みなどの呼吸器症状や腕や肩の異常な痛みが続けば、早めに呼吸器科の診察を受けることをお勧めします。