痛みの話Q&Awhat symptom
上腕骨外側上顆炎
上腕骨外側上顆炎って何? (じょうわんこつがいそくじょうかえん)
長時間パソコンのマウスを使う人、ゴルフやテニスなどのスポーツをしている人、物を掴んで移動する仕事に従事する人などに起る肘の外側の痛みです。原因の特定できないものもあります。
肘の外側(上腕骨外側上顆(じょうわんこつがいそくじょうか))には、手首を伸ばしたり、指を伸ばす筋肉が付いています。この筋肉の使い過ぎで、上腕骨外側上顆に負担が掛かり、炎症を起して痛みが出ます。バックハンドテニス肘とも呼びます。
スポーツを20歳代で始めた人より、30歳代で始めた人に多く発症します。ゴルフでは、外側あるいは内側にも痛みが出ます。
レントゲン写真で肘関節に異常所見を認めません。
症状は?
ゴルフのクラブやテニスのラケットを振る、長時間パソコンを操作する、タオルを絞る、物を掴む等の動作で、手関節や指を伸ばす筋肉の緊張が強くなり、肘の外側から腕の外側に痛みがでます。上腕骨外側上顆を押すと痛みます。
治療法は?
痛みの強い例では、上腕骨外側上顆に副腎皮質ステロイド剤+局所麻酔薬を1~2週に1回、数回注射します。手関節や指の多用を避け、テニスやゴルフなどの運動は、一定期間に休みます。痛み止めの薬や消炎剤の入った湿布を使い、併行して理学療法を行います。
テニスエルボーバンドは、筋肉の引っぱる力をバンドを装着した部分でブロックして、痛みを和らげる効果があります。
これらの保存的治療でほとんど痛みは軽くなりますが、1年以上痛みの続く例では手術(Nirschl & Petrone法)をすることもあります。
ひとくちメモ
上腕骨内側上顆炎
肘の内側(上腕骨内側上顆)には、手関節を曲げたり、手関節を内側へ曲げる筋肉がついています。
仕事やテニス、ゴルフなどの運動で手を使い続けると上腕骨内側上顆の筋付着部に炎症をおこし痛みが出ます。ゴルフ肘とかフォアハンドテニス肘とも呼ばれます。
治療は上腕骨外側上顆炎と同じです。