痛みの話Q&Awhat symptom
肘部管症候群
肘部管症候群って何? (ちゅうぶかんしょうこうぐん)
肘関節の内側には、手の小指側の知覚や運動を支配する尺骨神経が走っています。この尺骨神経は骨と靱帯や軟部組織でできた肘部管と呼ばれるアーケードの中を通ります。肘の内側に物が当たるとビーンと強いしびれが出るのはこの部分です。このアーケードが狭くなって尺骨神経を締めつけて、神経障害(絞拒性神経障害)をおこす疾患です。
症状は?
肘の打撲や骨折の後、変形性肘関節症、肘の使い過ぎなどが原因で、肘部管の一部が狭くなり尺骨神経が締めつけられた結果、手の小指側のしびれ感や手の筋肉のやせが出てきます。
肘部管の部分を指先で軽く叩くと、小指と薬指に痛みが走ります(ティネル徴候)。
治療法は?
初期のものは、肘の安静、ビタミンB12、非ステロイド性抗炎症薬を使います。
しかし、肘の変形や変形性関節症によるものは、症状が良くなる可能性は低いので、早めに手術を受けたほうが良いでしょう。
手術は、神経の圧迫を除去のために、上腕骨内側上果を切除して、尺骨神経を尺骨神経溝から遊離させ、前の方へ移行させる尺骨神経前方移行術などが行われます。
手の筋肉のやせや麻痺が起こる前に手術を行えば、予後は良好です。