痛みの話Q&Awhat symptom
痛風の痛み
痛風って何?(つうふう)
痛風は血液検査で尿酸の値が異常に高くなり足の親指のつけ根に強い痛みの出る病気です。
古代ローマの遺跡からも痛風に関する記述が発掘され、中高年に多い「ぜいたく病」とか「帝王病」と呼ばれていました。しかし、最近は、食生活の欧米化に伴い、30歳代の発症が増加しています。
痛風患者の95%以上は男性です。
どうして起るの?
尿酸は、動物の内臓や魚の卵などの細胞の核内に多く含まれるプリン体という物質から肝臓内で老廃物として作られます。作られた尿酸は血液中に溶け、腎臓から尿中に排出され、残りは腸で分解されます。
尿酸の合成が多くなり過ぎたり、腎臓での排出が低下すると血液中の尿酸値が上がります。
血液検査で尿酸値が7.0mg/dl以上で痛みのないものも高尿酸血症と言います。
この高尿酸血症が続いた後、ある日突然、片方の足の親指のつけ根に強い痛みが出ます。これを痛風発作と言い、この状態を痛風と言います。
痛風発作は関節にたまった尿酸の結晶を白血球が攻撃して起ります。足の親指のつけ根に起るものが多く、次いで膝、足、手、指の関節に起ります。関節は赤く腫れ、安静時でも、夜間でも、耐えがたい強い痛みです。
治療法は?
痛風発作の前兆として、関節がうずく様な症状の時にコルヒチン錠を使うと痛風発作をおさえる事ができます。
疼痛が出た場合は非ステロイド性抗炎症剤(インドメタシンなど)を服用します。だいたい数日間で痛みは消えます。
痛みが消えたからといって、痛風が治った訳ではありません。痛風発作の原因である尿酸値を正常値範囲に抑えておかなければ、発作を繰り返し、様々な内臓障害がでてきます。尿酸値を下げる薬物療法は、痛風発作がおさまってから開始します。3~6ヶ月かけてゆっくり尿酸値を下げ、4.6~6.6mg/dlを目標値とします。
薬は大きく分けて2つあります。一つは尿酸の合成が多くなりすぎたタイプに対して尿酸を作りにくくする薬(ザイロリックなど)、もう一つは腎臓からの尿酸の排出が低下するタイプに尿酸の排泄を良くする薬(ユリノームなど)を使います。結局、痛風の治療は尿酸値を4.6~6.6mg/dlにコントロールすることですから、これらの薬は痛風発作の有無にかかわらず検査結果によって飲み続ける必要があります。
注意することは?
痛風や高尿酸血症と診断された方の食事で注意することは、カロリーの制限(1日約 1,800カロリー)をすること、プリン体の多い食物を控えることです。食事のほかには、肥満の解消、アルコール特にビールを控える、水を十分に飲むことなどです。
痛風や高尿酸血症の人は尿が酸性に傾きがちです。尿酸はもともと水に溶けにくい物質ですが、尿が酸性になるとますます溶けにくくなります。これが尿路結石の原因となります。痛風の人が尿路結石を起すのは、健康な人の50倍以上です。尿をアルカリ性にするにはアルカリ性物質を摂る事が必要です。アルカリ性食品を食べたからといって血液のpHがアルカリに傾くことはありませんが、尿のpHは食事内容に良く反応します。痛風や高尿酸血症と診断された方は、尿をアルカリ性に保つために、日頃アルカリ性食品を多く摂る事を心掛けて下さい。