痛みの話Q&Awhat symptom
鎖骨骨折
鎖骨骨折って何? (さこつこっせつ)
オートバイの転倒事故、スポーツ、高い所からの転落等で肩を強打したり、直接鎖骨を強く打ったりして発症します。
骨折は鎖骨の中央部に多いのですが、鎖骨の端の方にもみられます(遠位端部骨折)。骨折すると鎖骨についている筋肉に引かれて骨折部は上下にずれ、重なって短縮します。
症状は?
肩、腕を動かすと強い痛みがあり、鎖骨の変形、腫れ、痛み、鎖骨の異常な動きが出ます。
レントゲン写真で診断は確定します。
治療法は?
鎖骨の骨折は比較的つき易いので保存的治療(手術をしない治療)が原則です。徒手整復の後、包帯固定やギプス、固定帯(鎖骨固定バンド)等で安静を保てばほとんどの鎖骨骨折は治ります。但し、骨折部のずれが大きく、不安定なものは、局所麻酔をして、皮ふの上から鋼線で骨折部を固定(経皮的鋼線固定)する場合もあります。ずれた骨折片によって神経損傷を合併している場合や骨片が皮膚を強く突き上げている場合は、全身麻酔下での手術の適応です。
また、鎖骨遠位端部の骨折は、骨折片が筋肉に引かれて転位するために、整復位を保つ事がむずかしく、骨がつかない事があるので、特別にデザインされた「肩鎖関節プレート」を用いた手術をする事があります。
子供の鎖骨骨折は?
すべての子供の鎖骨骨折は保存的治療が原則です。乳幼児では、親が目を離した際、低いソファーから床に転落して受傷するケースが多くあります。両脇を支えて抱き上げると痛みのために泣きます。レントゲン写真では骨折のわかりにくいもの(若木骨折)もあるので注意が必要です。2~3週間の8字包帯固定で充分です。
学童児では、運動中にころんで骨折するケースが多いようです。レントゲン写真で診断は確定されます。
子供の鎖骨骨折はずれが大きくても、又、骨片があっても、旺盛な治癒力のために手術せずに保存的治療(鎖骨固定バンド等)で骨はつきます。又、相当強く変形して骨がついたとしても成長と共に正常に近い骨の形にもどります(自家矯正(じかきょうせい))。