痛みの話Q&Awhat symptom
頚椎捻挫
頚椎捻挫って何?(けいついねんざ)
追突事故やスポーツ等で頚椎が急に後に伸ばされて、反動で前に曲がり、 あるいは首を強くねじられ、首から肩の痛み、頭痛などの症状がでる疾患です。
一般的には「むち打ち症」と言われるもので、頚部の軟部組織の損傷によるものです。
症状は?
受傷した直後は、頚部の熱い感じ、翌日以後に頚部痛と頭痛がおこり、痛みのために頚を動かす事が出来ず、 嘔気(はきけ) が出る事もあります。又、肩こり感、めまい、耳鳴り、手のしびれ感、握力の低下、目の疲れなど、色々な症状を訴えます (バレー・リェウ症候群(しょうこうぐん))。 心因的な要素も症状に影響を与えます。
損傷の程度によって症状や治療期間に違いが出てきます。又、頚部の椎間板の変性の程度(経年変化)も症状に影響を与えます。
大きく分けて、次の4つの病型に分けられます。
1. 頚椎捻挫型・・・大半がこの型です。頚の周辺の筋肉や頚の骨の関節に捻挫をおこしたものです。
2. 神経根症状型・・・頚の神経が圧迫され、頚の痛みや手のしびれが強くなり、握力が低下します。
3. 自律神経型・・・めまいや耳鳴り、不眠、肩こり、頭痛など多彩な症状がみられます。
4. 頚髄症状型・・・脊髄が損傷された場合は、両手のしびれや上下肢の筋力低下や麻痺もみられます。
症状が強く長引く例は、受傷時の強い衝撃によって髄液が体内に漏れ出して減少する「脳脊髄液減少症(のうせきずいえきげんしょうしょう)」が原因になるといわれています。
治療法は?
安静を保ち、消炎鎮痛剤を服用します。痛みの強い場合は、頚部の固定(頚椎カラー固定)をすることもあります。急性期が過ぎてから、頚のストレッチや牽引治療、温熱療法、低周波、干渉波などの理学療法を行います。星状神経節ブロックをすることもあります。
頚椎捻挫の治療期間は、1ヶ月以内が40%、1ヶ月以上3ヶ月未満が30%、3ヶ月以上6ヶ月未満が20%、6ヶ月以上は10%との報告があります。
「脳脊髄液減少症」に対しては、検査法、治療法について多くの意見があり、研究されているところです。
注意することは?
追突事故では、追突時の衝撃をやわらげるために、ヘッドレストの調節が大切です。座席に正しく座った際、メガネのツルの延長線上にヘッドレストの中心部がくるように調節して下さい。ヘッドレストと頭の距離をなるべく近くすることも大切です。