痛みの話Q&Awhat symptom
半月損傷
半月損傷って何? (はんげつばんそんしょう)
膝関節の内側と外側には、一対の半月という柔らかい組織があります。上から見ると、ちょうど三日月の様な形をしているので、半月という名前になりました。
半月は大腿骨の脛骨の間にあり、膝の衝撃をやわらげるクッションの役目と膝の動きをスムーズに安定させる役目があります。
この半月に何らかの原因で傷が入ったものを半月損傷といいます。
どうして起るの?
半月損傷の原因は、若い人では、スキーやバスケットボールなどのスポーツによって起るものが多く、高齢者では、半月の老化あるいは変形性ひざ関節症に伴う変性によるものです。
症状は?
膝の痛みと腫れです。歩行したり、運動したりすると痛みが強くなり、膝が急に伸びなくなったり(*嵌屯症状)、歩行中急に膝が「ガクッ」と抜けるような感じ(膝折れ現象)が起ります。
*嵌屯症状・・・かんとんしょうじょう
検査方法は?
半月が、どの部位でどの程度損傷を受けているかを検査することは、その治療法を決める上でとても大切なことです。膝を動かして、痛みやひっかかりをチェック(誘発テスト)し、関節造影、MRIや関節鏡検査で詳しい情報を得る事ができます。
治療法は?
保存的治療(手術をしない治療)と手術的治療があります。
保存的治療・・・・損傷が半月の辺縁部で、損傷が比較的小さいものが対象となります。一定期間、ギプス固定や膝装具をつけた後、リハビリテーションを行います。
手術的治療・・・・最近ではほとんど関節鏡を使った手術になりました。半月の辺縁部の比較的大きい損傷には、鏡視下半月縫合術が行われます。半月の辺縁部以外の損傷では、その程度により半月の部分切除が行われます。
子供の半月損傷は?
半月は三日月形をしているとお話ししましたが、生まれつき形態異常で円板状をしたものがあります。ほとんどが外側半月です。この円板状の半月は正常の半月より厚く大きいために、衝撃を受けやすく壊れやすい状態にあります。子供の半月損傷はほとんどがこの円板状半月の損傷です。症状は膝の屈伸での引っかかりや膝を完全に伸ばせないこと、関節に水がたまることなどです。
保存的治療で良くならない症例は、関節鏡視下で円板状半月の部分切除が行われます。