痛みの話Q&Awhat symptom
キーンヘ
キーンベック病(月状骨軟化症)って何? (きーんべっく(げつじょうなんかしょう))
手関節をつくる骨(手根骨)の一つの月状骨が、何らかの原因で血液の流れが悪くなり、壊死する疾患です。
キーンベックと言う先生が詳しく報告したので、彼の名前がつけられました。20歳~40歳代の男性の右手(利き手)に多く発症します。
どうして起るの?
原因は不明です。月状骨は、骨についている靱帯の血流から栄養を受けていますが、何らかの原因で、この血流が障害されて、壊死を起すと考えられています。又、前腕の2本の骨(橈骨と尺骨)の長さの違いにより、手関節の部分で月状骨にかかる圧が強くなるために発症するとも考えられています。
症状は?
手関節を動かすと痛みがあり、腫れがでます。
握力が弱くなることもあります。
MRI検査やCT検査で比較的早い時期に発見することができます。
進行するとレントゲン写真で月状骨が硬く、扁平化している像が見られます。
治療法は?
早い時期に発見され、痛みも軽いもの、レントゲン写真上、進行していても痛みがあまりなく、日常生活にさほど支障のないものは、手関節を固定する装具をつけ、温熱療法などのリハビリテーションで経過をみます。
ある程度進行し、日常生活に支障があれば手術治療が行われます。主な手術方法は、
橈骨の骨切り術・・・・・・月状骨にかかる圧を減らす目的で、橈骨を短くする手術です。
血管束移植術・・・・・・壊死を起した月状骨への血流を再建することを目的として、顕微鏡を使って月状骨へ血管束(動脈と静脈)を移植する方法です。
この他にも色々な手術方法があります。「手の外科」の専門医と相談して下さい。