痛みの話Q&Awhat symptom
橈骨遠位端骨折
橈骨遠位端骨折って何? (とうこつえんいたんこっせつ)
ころんで手をついた際におこる骨折です。
手のつき方によって、様々な骨折のタイプがあります。
骨折の中で、最も多いものの一つで、特に骨粗鬆症のある人に多発します。
症状は?
手関節部に強い痛み、腫れと変形がでます。
骨折は時計のバンドの位置でおこり、手の背側にずれます。
治療法は?
骨折のずれのないものは、着脱のできる簡単なギプスで、手関節を3~4週間固定します。
骨折のずれの大きいものは、レントゲンの透視像を見ながら、骨折部に局所麻酔し、痛みを取って徒手整復します。受傷直後であればかなり良い整復位が得られます。整復後、鋼線を3~4本、皮ふの上から骨折片に刺入して固定します。固定後は着脱のできる簡単なギプスで固定し、腫れがひいてから、指の運動を続けます。鋼線は約3~4週間で抜去し、手関節の運動療法を行います。
徒手整復しても良い整復位が得られないもの、手関節面に骨折が及んでずれているものなどは、全身麻酔下の手術が必要となります。手術で正確に骨片を整復し、鋼線やプレートを使ってしっかり固定します。
橈骨遠位端の粉砕骨折などで手関節を長い間固定すると、関節が固くなって動きが悪くなります。そのため創外固定器という特殊な器械を手に装着して、手関節を動かしながら骨をつける方法もあります。
注意することは?
手関節周囲の骨折や脱臼の不完全な整復や腫れを伴う長期間のギプス固定などのために、レントゲン写真上、骨折部を中心に骨が強くヤセるズデック骨萎縮(こついしゅく) が見られることがあります。又、手関節や指を動かすと、強い痛みが長く続く反射性交感神経性ジストロフィーを発症することもあり、これらは治療上の大きな妨げとなります。受傷後の適切な処置が大切です。