痛みの話Q&Awhat symptom
アキレス腱断裂
アキレス腱断裂って何? (あきれすけんだんれつ)
子供の運動会に出て急に走ったり、草野球をして急にダッシュした時、アキレス腱の部分に「後ろから誰かに蹴られた」様な痛みが出ます。最近はバドミントンやスカッシュなどのスポーツで、30歳以後の男女に多く発症する様になりました。
受傷後3週間以上経過したものは、陳旧性アキレス腱断裂といいます。
症状は?
アキレス腱が断列しても、ほとんどの人は歩くことができますが、足関節の底屈力が弱くなり、つま先立ちは出来ません。アキレス腱の断裂した部分に「へこみ」が触れます。
腹ばいにして、ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)を握ると、正常では足関節は底屈しますが、断裂していると底屈できません(トンプソン スクウィーズ テスト)。
治療法は?
治療法には、手術をしない保存的治療と手術的治療があります。手術を避けたい人には保存的治療が、スポーツや社会に早く復帰したい人には手術的治療が選ばれます。
【保存的治療】
ギプス固定法
受傷後数日間の新鮮なアキレス腱断裂の例にギプス固定と足関節装具で治療します。
治療は比較的長期間かかります。
【手術的治療】
アキレス腱縫合術(バネル法)
麻酔をして、アキレス腱の内側を約10cm切開し、アキレス腱を縫合します。効果が確実で、最も一般的な治療法です。
陳旧性アキレス腱断裂に対する手術(ボスワース変法)
受傷後3週間以上経過した陳旧性のアキレス腱断裂に対する手術です。離れたアキレス腱の断端部は瘢痕組織で埋まり、アキレス腱の断端は大きく離開します。アキレス腱同士を縫合することが出来ないので、ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)の筋膜を利用してアキレス腱を形成します。
注意することは?
この他にも皮膚を切開しない経皮的アキレス腱縫合術など多くの治療法があります。
どの治療法を選ぶかは、患者さんの状況やアキレス腱断裂の状態によって異なります。
整形外科医と良く相談して下さい。