痛みの話Q&Awhat symptom
足関節捻挫
足関節捻挫(靱帯損傷)って何? (そくかんせつねんざ)
足関節は関節包によって結合され、その安定性は関節のまわりの靱帯によって保たれています。段差やスポーツなどで足首を捻るとこの靱帯が断裂され、足首の安定性が無くなります。この状態を足関節捻挫といいます。足関節捻挫は、靱帯の断裂の程度や関節包の損傷の有無により第1度から第3度に分類されます。
この程度の違いは、レントゲン検査で、足関節にストレスをかけて見たり、足関節の関節造影法( 頁参照)で判断します。
捻挫の程度と治療法は?
【第1度の捻挫】
関節の痛みと軽い腫れがあり、痛めた靱帯を押すと痛みます。靱帯の一部の断裂で、関節包は傷んでいないものです。日常診療で最も多く見られるものです。治療は、湿布と約1~2週間の弾力包帯又は簡単な足関節固定装具で充分です。
【第2度の捻挫】
関節の腫れと痛み、運動の制限、軽い関節の不安定性が出ます。靱帯の部分的断裂で、関節包も傷んでいるものです。治療は、約3週間着脱の出来るU字キャスト(ギプス)で足関節を固定します。U字キャストは1日数回はずして受傷日から3日間は、RICE療法をします。
RICE療法とは、R:Rest安静、I:Ice冷却、C:Compression圧迫、E:Elevation高挙の頭文字を取ったものです。氷のうで局所を冷やして、腫れを防ぎ、スポンジなどで局所を圧迫して出血を防ぎ、足を高くすることで血液やリンパの流れを良くする治療法です。
受傷後4~5日目より、理学療法、タオルギャザー運動(足の趾でタオルを掴む運動)、7日目より足関節運動(特に腓骨筋筋力強化)を開始します。
3週間でU字キャストを除去し、足関節装具をつけ、リハビリテーションを続けます。
【第3度の捻挫】
関節の腫れや痛みが強く、関節の不安定性が強くなります。靱帯の完全断裂で、関節包も傷んでいるものです。
治療は、手術をして断裂した靱帯を縫い合わせます。又、受傷時に起きた剥離骨折も、手術をして元の位置へ固定します。術後ギプス固定は約5~6週間必要です。ギプス固定中も出来るだけ筋力の強化運動を続け、ギプス除去後はリハビリテーションを行います。
注意することは?
足関節捻挫には湿布程度の軽い治療で済むものから、手術を要するものまで色々です。最初の診断と処置を間違えるといつまでも足関節の痛みがとれないことがあります。