痛みの話Q&Awhat symptom
ランニングシューズ
ランニングシューズって何?
ランナーには、フルマラソンでタイムを競うアスリートから広場や河原でのジョギングで心身のリフレッシュを目ざす人まで様々です。しかし共通して言えることは、ランニングによって膝や足に痛みが出て、ランニングを続けられなくなる人がいると言う事です。このランニング障害の原因の1つに、誤ったランニングシューズの選び方があります。ここでは、基本的なランニングシューズの機能と選び方について解説します。
ランニングシューズの機能は?
クッション性・・・ランニング中は、体重の約3倍の圧が足にかかります。これを効果的に吸収するために、ソールには適度なクッション性が必要です。クッション性は、クッション材が柔らかい程、又、厚い程高くなりますが、足の安定性が悪くなり、蹴り出しの力がクッションに吸収されて走りにくくなります。目的にかなった適度なクッション性が求められます。
通気性・・・ランニング中のシューズの中は、衝撃熱、摩擦熱、体温、道路の熱、汗などで温度45℃、湿度95%にもなります。
このためランニングシューズのアッパーの部分は、通気性に優れ、太陽熱をカットするメッシュ素材が使われます。又、ソールに穴を開け、足の裏からも空気を吸排できる機能を搭載したシューズもあります。
曲りやすさ・・・足のゆびのつけ根にあるMP関節は、ランニングの際に最も大きく曲る関節であり、蹴り出しの際のスナップ動作に重要な関節です。ランニングシューズの裏を見ると、MP関節にほぼ一致してスリットを入れて曲りやすくしてあり、ソール素材の反発力で蹴り出しが楽にできる様になっています。
安定性・・・ランニング中、着地から蹴り出しの瞬間を後方から高速度カメラで観察すると、ほとんどの人のかかとは外側に、脚は内側にローリングすることが判ります。 この動きが大きいものをオーバープロネーションと言い、ひざや足の痛みの原因になります。オーバープロネーションの人には、ローリング防止用のソール素材をかかとの内側に使います。
ひとくちメモ
1960年、ローマオリンピックで、エチオピアのアベベ選手が、裸足で走って優勝したのは有名な話です。走るための機能を持った、鍛えられた足を持っていたからです。「裸足のアベベ」といえども、4年後の東京オリンピックでは、シューズを履いて出場し、優勝しました。
ランニングシューズの選び方は?
朝と夕方では足のサイズは1?前後変わります。購入するのは、夕方かランニングする時間帯がベストです。メーカーによって多少サイズの違いがあり、足のサイズも左右違う人もいるので、必ず両足を入れて、次のフィット性をチェックします。
かかとの「くわえ込み」が良く、「軽い」と感じられるか?
つま先に0.5~1.0?位の余裕があるか?
土踏まずのアーチが、ソールのアーチと一致しているか?
靴ひもを調整して甲周りのフィッティングが良いか?
ひもを通した状態で全体が足にフィットし、MP関節が無理なく曲るか?
目を閉じて、片足で10秒間安定して立てるか?
ソールがしっかり路面をグリップするか?
ちょっと詳しく
偏平足
歩行時、足への圧を吸収するためにヒトの足の底は強力な靱帯と足底腱膜によって、ドーム状のアーチ構造が保たれています。何らかの原因で、このアーチ構造が崩れた状態が偏平足です。長時間歩いたり、走ったりすると、足やひざに痛みがでます。この様な人には、人工的にアーチ構造をつくるアーチサポートが処方されます。